2008年12月17日

実験材料としてのフタボシツチカメムシ

11月はほとんど実験や論文書きをやることなく
なんとなく過ごしてしまったため,
これではいけない!と克己して,
最近は室内行動実験に集中しています.

動物がどの方向に移動するのか?
なぜその方向に移動できるのか?
という「定位・ナビゲーション」と呼ばれる問題を
研究テーマの1つにしています.

で,11月26日にも書きましたが,
http://hahoman.seesaa.net/article/110218742.html
これまでは,ベニツチカメムシという昆虫を
定位行動実験の材料としてきました.
雌親が巣を作って子供に餌の種子を運んでやるという
面白い生態を持つカメムシです.
餌を見つけた後,どうやって自分の巣の方向に帰るのか
という問題を研究してきました.

ところが,この昆虫はかなり大型で,雌が一生に1回しか産卵せず,
さらに繁殖時期が極めて限定されていて,累代飼育が大変困難,
と,室内実験に本当に向いていないわけです.

そこで新しい材料として,
フタボシツチカメムシAdomerus rotundus
という近縁種を室内実験の材料にできないか,
本格的に試している最中ですが,
なかなか上手くいきそうな感じになってきました.
写真は,種子を運搬してきたフタボシの雌親と2齢くらいの幼虫です.

フタボシ給餌.jpg

このカメムシの実験材料としての良い点は,
・体長5mmほどで採餌範囲が狭いため実験スペースが小さくてすむ
・複数回繁殖で簡単に累代飼育できるためいつでも実験可能
・給餌が活発で一日あたり数十個の種子を運搬してくれる
・室内でも問題なく正確な視覚定位をみせてくれる
という点です.

もちろん困った点もあり,
・分布が極めて局所的
・複眼を覆うなど様々な実験処理が小型のため行いにくい
・複数回繁殖のためか比較的簡単に子供を放棄してしまう
などですが,これらの問題点を考慮してもなお,
メリットが大きいですね.

LED光源下で上手く給餌できているので,
これから本格的に実験を開始しようと思います.

posted by 針山堀太郎 at 16:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 魅力的なカメムシ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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