2006年07月07日

カメムシは夜の森で何を見ているか

先日は,実験上とても大切なカメムシたちが
大雨で流されてしまい,
悲壮感あふれる日記を更新してしまいました.
ボスである針山先生をはじめとして,
ブログをご覧いただいた何人かのみなさんから
励ましのお言葉をいただきました.
心よりお礼申し上げます.ありがとうございました.
弟子としては,針山先生の優しいお言葉が
特に嬉しかったです.

幸いその後,今日まで,佐賀の調査地では
「大雨」は「雨や曇り」程度に天候は回復してくれました.
また学生さん達が手伝ってくれたおかげで,
なんとかカメムシの状態と実験環境を立て直すことができ,
帰巣に関する幾つかの実験を行うことができました.
とてもホッとしています.
給餌していたお母さんカメムシはそろそろ寿命で死亡し,
今年の給餌シーズンも終わりです.
(写真はボロボロノキの実を運んでいるお母さんカメムシ)

ベニツチカメムシの帰巣の大きな謎の1つは,
夜の森でどのような手がかりを使って迷わずに
10mほどの距離を帰巣しているのか?
というものです.
複眼を遮光すると帰ることができないので,
夜の森で何らかの視覚情報を使っていることは確かです.
ただ,
・夜の帰巣行動は,1年のうちの5日間ほどしか観察されない
・赤色光にも反応するのでライトをつけて行動観察ができない
・雨や蚊やダニなど,観察環境がかなり過酷
という条件が重なり,研究が進んでいませんでした.

今年のシーズンはこの謎の視覚情報に関して,
面白いデータがとれたようなので,これからデータを解析し,
またご報告できればと思っています.
給餌メス.jpg
posted by 針山堀太郎 at 16:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 魅力的なカメムシ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月26日

巣が大雨で流されて

佐賀県は昨晩から大雨です.
滝のような雨が降っています.
大雨洪水警報のなか,学部生の馬場君(写真)と
調査場所の森に入ってみると,
ベニツチカメムシの巣が流されてました.

実験のため1ヶ月以上も大切に手をかけて育て,
いざデータをとろうかという今,
お母さん個体がどんどん流されて
死亡していて呆然としました.
これからどうしたらいいのかと,
今日は途方にくれてます.
大雨の調査.jpg
posted by 針山堀太郎 at 02:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 魅力的なカメムシ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月23日

給餌シーズン到来

弘中は佐賀に来ています.
ベニツチカメムシParastrachia japonensisですが,
調査場所の森でも,今週あたまくらいから卵の孵化が確認でき,
そっと落ち葉をどけると,お母さんカメムシが
巣の中の幼虫に寄り添っているのが観察できます.
これからお母さんカメムシは幼虫のために
1日に数個から十数個のボロボロノキの実を運びはじめます.
いよいよ給餌シーズンです.

今年は夜の給餌行動を詳細に観察するつもりなので,
森の中に泊まり込みの日も多くなりそうです.
どんな行動が観察されるのか,雨の中の調査は大変ですが.
楽しみです.
ベニツチ孵化.jpg
posted by 針山堀太郎 at 21:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 魅力的なカメムシ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年05月30日

カメムシの帰巣実験アリーナ

弘中は再び佐賀に出張しています.
共同研究している佐賀大学農学部の野間口助教授の
動物行動生態学講座にお世話になっています.

学生さん(馬場君,柳君,稲富君)に手伝ってもらったおかげで,
カメムシの帰巣実験用の野外アリーナが完成に近づいています.
あとは,キャノピーをイメージした天井の模様を
どんなパターンにしようか考えています.
なかなかいい出来で実験も上手くいきそう.

1ヶ月後には1年のうちのわずか2週間という,
ベニツチカメムシの給餌シーズンが到来します.
そこにむけて実験の準備を着々と進めています.
野外タ験アリーナ.jpg
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2006年05月05日

ミツボシツチカメムシは交尾も終わり

GWでよい天気です.
今日も調査です.

モンツチカメムシ亜科Sehirinaeのカメムシは,日本では,

 フタボシツチカメムシ Adomerus rotundus
 ミツボシツチカメムシ Adomerus triguttulus
 シロヘリツチカメムシ Canthophorus niveimarginatus
 マダラツチカメムシ Tritomegas variegatus

の4種が現在知られているのですが,
いずれも小さくてまるっこくてかわいらしい種ばかりです.
亜社会性種を含むということで,
このグループの生態にものすごく興味を持っているのですが,
なかなか発生地を見つけることができない
珍しい種が多いです.
その中で,このミツボシツチカメムシは
わりと普通に見られます.
佐賀の調査場所では交尾シーズンも終わりのようです.
Adomerus tri.jpg
posted by 針山堀太郎 at 10:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 魅力的なカメムシ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月28日

ボロボロノキの花は満開

ベニツチカメムシの唯一の寄主植物である
ボロボロノキSchoepfia jasminodoraの花が,
調査地では満開を迎えています.
甘い匂いのする白い花にしきりにミツバチが訪花しています.
開花にあわせるように,
ベニツチカメムシの交尾も観察されはじめました.

今年は花も交尾開始も少し遅いな,と感じていたのですが,
県農試に務めておられる先輩に今日聞いたところ,
農作物も生育が1週間ほど遅れているということで,
カメムシの繁殖イベントも少しずれ込むかもしれません.
ボロボロノキの花.jpg
posted by 針山堀太郎 at 21:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 魅力的なカメムシ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月25日

草原のシロヘリツチカメムシ

前回の調査からおよそ1ヶ月後ですが,
先日,シロヘリツチカメムシの発生状況を見に行ってきました.
まだ植物の芽もまばらな草原に
キラリと藍色に光るシロヘリを見つけることができました.
メスがしきりに地表を歩き回っています.
交尾のシーズンもそろそろ終わりといったところでしょうか.

佐賀平野ではカナビキソウはすでに白い花をつけていますが,
この調査場所では写真のように芽が出たばかりのようです.
4月のシロヘリ.jpg
posted by 針山堀太郎 at 11:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 魅力的なカメムシ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月26日

3月のシロヘリツチカメムシ

ベニツチカメムシの調査と同時に,
シロヘリツチカメムシの発生地へも調査に行ってきました.
残念ながら,寄主植物のカナビキソウがまだ発芽しておらず,
シロヘリは観察することができませんでした.

2001年の観察では,3月24日には
カナビキソウ上で成虫が観察されていることから,
今年は少し発生が遅れているのでしょうか.
今は野焼き後の丸坊主状態の草原ですが,
10日後くらいには,カナビキソウの芽が伸びると思います.
4月の調査が楽しみです.

後藤安一郎,弘中満太郎(2002)
「シロヘリツチカメムシの特筆すべき生態」
長崎県生物学会誌,54:19-24

には,この魅力的で報告例の少ないカメムシの生態の一端を
多くのカラー写真と共に紹介してあります.
3月のシロヘリ.jpg
posted by 針山堀太郎 at 01:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 魅力的なカメムシ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月25日

3月のベニツチカメムシ

ベニツチ調査から戻ってきました.

昨年の夏の幼虫発生の様子から,
今年は冬眠明けの集団が小さいだろうと予想していたとうり,
調査地では,ぽつぽつとしか集団を見つけることができませんでした.
写真左は今回観察された最大の集団で,まわりの個体を合わせると,
1500個体近くのカメムシが集まっていましたが,
多いときには1万近く,びっしりとカメムシが集まるので,
それに比べれば,こぶりな感じです.

寄主植物であるボロボロノキはまだ芽が出たところですが(写真右),
これから,4月下旬の開花にむけてどんどん葉を出していきます.

今回の調査では昨年成虫になったベニツチカメムシ1年虫と,
一昨年成虫になった2年虫をそれぞれ採集することができたので,
これからインキュベーターで加温して繁殖休眠を打破し,
交尾させ,餌条件を変えて飼育して,
5月頃に卵生産の様子を観察する予定です.
3月のベニツチ.jpg
posted by 針山堀太郎 at 01:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 魅力的なカメムシ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年03月17日

3月のベニツチ・シロヘリ調査行

ベニツチカメムシとシロヘリツチカメムシの調査に出かけます.
場所は九州の佐賀県です.

ベニツチカメムシについては,今年の初夏に行う野外実験のため,
個体群の分布調査とサンプリングを行う予定です.

また,カナビキソウがそろそろ芽吹く頃なので,
シロヘリツチカメムシの今年の発生状況も調査する予定です.
例年3月下旬には,成虫を見ることができるのですが,
彼らはカナビキソウを吸汁するわけでもなく,
幼芽にまとわりつくように歩き回っています.
なにをしているのでしょうか?
この不思議な行動も少し観察できたら,と思っています.

写真は昨年の5月に撮影した,
カナビキソウにつくシロヘリツチカメムシのメス個体です.
シロヘリツチカメ.jpg
posted by 針山堀太郎 at 08:14| Comment(2) | TrackBack(0) | 魅力的なカメムシ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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